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Q&A

遺言・相続について

QAをまとめました。

遺言・相続についてQ&A質問一覧

相続とは?

人が亡くなったときに、その人の遺産(借金等の負債も含め)を、特定の人が引継ぐことです。このとき、亡くなった人のことを、「被相続人」と言い、遺産を引継ぐ人を「相続人」と言います。

相続人は誰になるのでしょうか?

相続人には、血族相続人と配偶者たる相続人がいます。血族相続人は、次の順位に従って、相続人となり、配偶者は、血族相続人の者と同順位で常に相続人となります。

  • 1.被相続人の子
  • 2.被相続人の直系尊属(両親や祖父母)
  • 3.被相続人の兄弟姉妹

例えば、被相続人に妻子がいれば、その方々が相続人となり、妻子がおらず直系尊属も既に他界しているようであれば、兄弟姉妹のみが相続人になります。
また、子や兄弟姉妹が、被相続人より先に亡くなっている場合、孫や甥姪に相続権が発生する代襲相続という制度もあります。

相続人に行方不明者や生死不明者がいる場合はどうしたらよいでしょうか?

この様な場合は、有効な遺産分割協議が出来ません。
相続人に行方不明者がいる場合は、他の相続人は家庭裁判所に対して「不在者財産管理人選任申立」をすることが出来ます。家庭裁判所での調査でも行方が判明しなかった場合は、不在者の財産管理人が選任され、その財産管理人が家庭裁判所の許可を得て行方不明者に代わって遺産分割協議をする事が出来ます。
又相続人に生死不明者がいる場合は、生死が7年間不明であれば、他の相続人は、家庭裁判所に対して「(一般)失踪宣告」を申立てる事が出来ます。 失踪宣告を受けると生死不明7年の期間満了時に死亡したものとみなされ、その者について相続が発生することになります。

なお、船舶事故などに遭った時に申立てることが出来る「(危難)失踪宣告」もあります。

相続人に認知症など判断能力に衰えがある人がいる場合はどうしたらよいでしょうか?

認知症等で判断能力が衰えている場合は、本人の意思が分からず有効な遺産分割協議が出来ないことがあります。形式的に遺産分割協議書を作成しても判断能力のない者がした遺産分割協議は無効です。この様な場合、家庭裁判所に対して「成年後見人選任の申立」を検討すべきでしょう。成年後見人(後見、保佐、補助)が本人の財産管理の一環として遺産分割協議を行うことが出来ます。

なお、保佐及び補助については家庭裁判所より遺産分割協議の代理権を与えられた場合に限ります。

亡くなった父の土地と建物を引き継ぐことになりましたが、名義を確認したところ祖父名義でした。
祖父母とも既に亡くなっており、遺言も残っていません。どうしたらよいでしょうか?

私の父が最近亡くなったのですが、兄弟と話し合った結果、実家の土地と建物は長男である私が引き継ぐことになりました。しかし、名義を確認したところ、土地も建物も祖父名義でした。祖父は5年以上前に亡くなっており、祖母も既に亡くなっています。父は3人兄弟の長男でした。二男も三男である叔父も祖父の後に亡くなっており、二男の子は3人、三男の子どもは2人です(全員成人しています)。父の相続人は母と私と妹ですが、妹は結婚してアメリカ在住です。祖父名義の実家の土地と建物を私の名義にするには、どうしたら良いのでしょうか。祖父も父も遺言書は残していません。

少し整理します。相談者のおじい様名義の不動産があり、おじい様の相続人は子ども3人ですが、3人とも既に亡くなられており、長男の子どもは2人、二男の子どもは3人、三男の子どもは2人、そしてお父様の相続人はお母様とご相談者とアメリカ在住の妹さん、ということですね。これは、おじい様とその相続人のお父様に相続が発生している場面ですね。遺言書がないということですので、この場合に不動産を相談者名義にするには、おじい様の相続人全員と、お父様の相続人全員の遺産分割協議を行う必要があります。まずおじい様の相続人についてですが、既に死亡している長男のお父様については子どもである相談者と妹さん、二男である叔父様については3人の子どもとその三男の妻、叔父様については2人の子どもとその妻が相続人となります。

次にお父様の相続人は、相談者のお母様とご相談者及び妹さんですので、10名の相続人の話し合いが必要ということになります。

不動産登記をするには戸籍と遺産分割協議書が必要となりますが、この遺産分割協議書には相続人全員の実印を押印し、全員の印鑑証明書を添付しなければなりません。しかし、アメリカ在住の妹さんについては、アメリカには印鑑登録の制度がありませんので、実印と印鑑証明書の代わりに、サインと現地の日本領事館でサイン証明書を取得する必要があります今回は不明ですが、相続人の中に認知症の方や行方不明者がいる場合には、家庭裁判所を通した手続きを行わなければなりません。

このように相続登記を放置しておくと、相続人が増えていくばかりで、いざ手続きを行おうとすると、戸籍の収集も大変なことになり、そして膨大な人数の相続人との話し合いをしなければなりません。今回は10名ですが、相続人が数十人となってしまう場合も少なくありません。また今回の相談のように、相続人に発生する事情に応じて様々な手続きも必要になり、時間も費用もかかってしまいます。相続が発生したときには多少面倒でも放っておかずに早めに手続きを済ませておくことが重要です。

夫が事故で亡くなりました。遺言書はありません。夫名義で購入したマンションを私の名義にしたいのですが、どのような手続きをすればよいでしょうか?

私の夫が最近事故で亡くなりました。夫の相続人は、妻である私と子どもたち3人です。突然の出来事だったので夫の遺言書はありません。実は夫名義で購入したマンションがあるのですが、子どもがまだ中学生と小学生ですので、将来にどの子が家を継ぐかもわかりませんし、私の名義にしたいと思っています。どのような手続きをすればよいでしょうか。

この場合は、相続人である子どもと相談者との遺産分割協議が必要となりますが、未成年者であるこどもたちは、原則として法律行為である遺産分割協議をすることができません。法律行為は通常であれば親権者である母親が法定代理人として行うのですが、今回は、母親と子どもたち三人の遺産分割協議ですので、母親は本人としても代理人としても、遺産分割協議を行うことは利益が反することになるので認められません。この場合、家庭裁判所において子どもたちそれぞれに「特別代理人」を選任してもらい子どもたちの法定相続分を考慮して、遺産分割協議を行うことになります。

所有している土地と建物を、私の死後、3人の子どもに3等分できればよいと思っていましたが、同居している二男から、兄弟3人の仲がとても悪いので遺言書があったほうがよいと言われましたが必要なのでしょうか?

私は自宅の他、筑紫野市に土地と建物、春日市に土地を所有しています。
主人は既に亡くなっており、3人の子どもがいますが、とても仲が悪く、会えば喧嘩ばかりしています。長男には金銭的な援助を1000万円ほどしていますので、私が死亡した後は、長男には春日市の土地だけ、そして同居している二男には自宅、三男には筑紫野市の土地と建物で分ければ良いと思っています。三か所に不動産がありますし、長男に援助した分を考慮して、固定資産税の評価額で不動産の金額を確認して計算したところ、金額的にもちょうど3等分になりました。うまいこといくものだなと安堵しておりましたが、最近同居している二男から遺言書は残しているのかと聞かれました。それで私の考えを話したところ、兄弟3人の話し合いができるような状態ではないから遺言書があった方が良いと言うのです。3等分できるから遺言書など必要ないと思うのですが…。

相続が発生し、遺言書がない場合には、通常相続人で話し合いを行います(遺産分割協議)。
遺言書も遺産分割協議もない場合には、法定相続での相続ということになります。法定相続分は、3人の子どもたちにそれぞれ3分の1ずつになりますので、相続が発生した場合には、お持ちの不動産全てが3分の1ずつの共有になります。ご相談のように金額的に3等分できるので、それぞれの不動産をお一人ずつに相続させたい場合でも遺言書に残しておくか、遺言書がなければ遺産分割協議が必要ということになります。
相続人(この場合は3人のお子様たち)全員の話し合いがまとまらず、争う場合には、遺産分割調停、裁判ということにもなり兼ねませんので、遺言書を書かれておくことで後に起こり得る争いを予防することができるでしょう。

父が亡くなり遺言書にすべて長男に相続させると記載されていました。
父に何もしなかった兄が財産を全て相続することを受け入れることができません。
どうしたらよいでしょうか?

先日、父が亡くなりました。父名義の実家の土地と建物があります。母は既に亡くなっており、私たちは兄弟3人です。父が公正証書遺言を作っていて、「すべて長男に相続させる」と記載されていました。長男と二男は県外にいるため、三男である私が、時々父に会いに行っていました。実家の片づけや掃除もしていました。父に何もしなかった兄が財産を全て相続することを受け入れることができません。どうしたら良いでしょうか?

原則としてこの遺言は有効です。ただ遺言書があったとしても、相続人間で遺産分割協議が成立すれば、遺言書の内容とは異なる分割内容でも有効とされていますので、ご兄弟3人で話し合い、相談者がご実家の土地と建物を相続するという遺産分割協議が成立すれば相談者が相続することは可能です。しかし、このような話し合いが現実的に困難な場合でも、相談者は相続人の子どもですので遺留分があります。相続人は子ども3人ということですので、相談者は全体の6分の1の遺留分を請求することができます。これを「遺留分減殺請求」といいます。尚、遺留分は、請求できる期間に限りがありますので、早めに手続きをされることをお勧めします。補足として、法定相続人は、(1)子ども、(2)子どもがいない場合には親(3)子どもも親もいない場合には兄弟、そして配偶者は常に相続人になりますが、兄弟には遺留分はありませんので、ご注意ください。

私と夫の間には子どもがいませんが、夫名義の不動産と預貯金があります。
夫が亡くなった場合には相続はどうなりますか。

相続には順位があります。(1)子ども(2)親(3)兄弟姉妹です。
子どもが先に亡くなっている場合にはその子ども(孫)が相続人になります。子どもがいない場合には親、親も亡くなっている場合には兄弟姉妹ということになります。兄弟姉妹が既に亡くなっている場合にはその亡くなっている兄弟姉妹の子どもが相続人となります。また配偶者は常に相続人になります。

質問では、もともと子どもがいないということですので、夫の父母が相続人となります。その場合は相続財産の3分の2が配偶者、3分の1が父母という割合が民法で定められている法定相続分です。

そして夫の父母が既に亡くなっている場合は、夫の兄弟姉妹が相続人となります。その場合は相続財産の4分の3が配偶者、4分の1が兄弟姉妹という割合が法定相続分として定められています。

私は再婚して、子どもが2人いますが、前妻との間にも子どもが1人います。前妻も再婚しておりその子どもも成人しているので今は全く会っていません。私は現在の妻との間の子どもたち2人に財産を相続させたいと思っているのですが問題はありませんか。

Q9で説明したように子は第1順位の法定相続人ですので、前妻との間の子も相続人となります。相続が発生したときに妻が生きている場合には、妻2分の1、子2分の1(この場合それぞれ6分の1ずつ)が法定相続分ということになります。

現在の妻との間の子2人に財産を相続させるには、(1)生前に遺言を残すか(2)相続発生(亡くなった)後に相続人全員での話し合い(遺産分割協議)を行うかのいずれかの方法になります。
Q9の場合も同じですが、話し合いを行っても相続人全員の同意が困難であるなど不安要素がある場合には、生前に遺言書を作成しておくことが複雑化・係争化しがちな相続問題を未然に防ぐために重要なことになるでしょう。

なお、子及び親には「遺留分」という権利がありますので、遺留分を考慮して遺言書を作成することが必要な場合もあります。

父が亡くなり、これからは認知症で寝たきりの母の面倒を長女である私が実家に同居して看ていきたいと思っています。そこで、この際父名義になっている実家を私の名義に変更したいのですが、弟の行方がわかりません。弟に相談せずに名義を変えることはできますか。

お父さんの相続については相続人であるお母さん、あなた、弟さんが話し合って遺産分割協議をする必要があります。遺産分割協議が整わなければ実家の名義を変えることはできません。

そして相続人であるお母さんが認知症で判断する能力を欠いている場合、お母さんは自ら法律行為を行うことができませんので、この場合、家庭裁判所に対し「成年後見人」選任の申立てをし、この成年後見人がお母さんの代理人として遺産分割協議を行うことになります。

また、弟さんに関しては、本当に行方がわからない状態であるならば、「不在者」ということになり、家庭裁判所に選任された「不在者財産管理人」が弟さんの代理人として遺産分割協議を行うことができます。

成年後見人や不在者財産管理人は家庭裁判所に申立てをしますが、申立て等の裁判書類作成のみならず相続に関して専門的知識のある司法書士が「成年後見人」や「不在者財産管理人」などに選任されるケースが年々増えております。

叔父が亡くなった後、叔父の子が全員相続放棄したということで、債権者から母に叔父の借金返済の通知がきました。どうしたら良いでしょうか。母方の祖父母(叔父の両親)は既に亡くなっています。

兄弟姉妹への相続が発生した場面です。
Q9に説明したように、子どもがいない場合は(2)両親→(3)兄弟姉妹という順位が定められていますが、子どもがいない場合には「子どもが相続人とならない場合」つまり「相続放棄」をした場合も含まれます。今回は、叔父の子が全員相続放棄を行い、両親も既に死亡しているため兄弟姉妹が相続人になりました。
相続放棄は、「自己のために相続の開始があったことを知ったとき」から3ヶ月以内に行わなければなりません。すみやかに叔父さんの遺産の調査を行い、相続を放棄するかどうか判断しなければなりません。あなたの場合、相続人になったのは、叔父さんが亡くなった時ではなく、叔父さんの子が相続放棄をしたとき、あるいはそれを知ったときとなります。

ご自分も相続を放棄するのであれば、家庭裁判所で「相続放棄の申述」の手続を行ってください。なお、借金だけでなく財産も遺されており、財産の範囲で借金を返済したい場合「限定承認」という手続もありますので、くわしくは司法書士にご相談ください。

遺言はどうやって作るのでしょうか?

遺言書の作成方法としては、(1)自筆で作成する遺言書(「自筆証書遺言」と言います)(2)公正証書で作成する遺言(「公正証書遺言」と言います)の2つの方法が多く利用されています。

(1)自筆証書遺言は、本人が手書きしてひとりで作成する方法で、最も手軽に作れる方法である反面、遺言者の死亡後には遺言書を家庭裁判所に提出し検認という手続を経なければなりません。検認は、遺言の存在する状態を保全するための検閲認証手続ですので、検認したとしても方式に誤りがあることが明らかになった場合は、遺言が無効になることがあります。

(2)公正証書遺言は、証人2人の立ち会いのもと、公証人が本人から遺言内容を聞き取って作成する方法です。必要書類を揃え、事前に内容について公証人と打ち合わせをし、その後、証人2人とともに原則、公証役場に行って作成します。少し手間はかかりますが、公証人が遺言書を作成してくれるので遺言が無効になるおそれも低く、原本が公証役場に保管されるため遺言書が紛失したり隠されたりするトラブルも防げます。尚、遺言書は一度作成しても、何度でも作成することができ、一部変更したり、撤回することも可能です。その場合には新しい遺言の内容が優先されます。

私と夫の聞には子どもがいませんが、夫名名義の不動産と預貯金があります。夫が亡くなった場合には相続はどうなりますか。

相続には順位があります。(1)子ども(2)親(3)兄弟姉妹です。子どもが先に亡くなっている場合にはその子ども(孫)が相続人になります。子どもがいない場合には親、親も亡くなっている場合には兄弟姉妹ということになります。兄弟姉妹が既に亡くなっている場合には、その亡くなっている兄弟姉妹の子どもが相続人となります。また、配偶者は常に相続人になります。
質問では、もともと子どもがいないということですので、夫の父母が相続人となります。そして、夫の父母が既に亡くなっている場合は、夫の兄弟姉妹が相続人となります。その場合は相続財産の4分の3が配偶者、4分の1が兄弟姉妹という割合が法定相続分として定められています。
妻だけに相続させるには、夫が遺言書を書くか、相続人全員による妻が相続する遺産分割協議等が必要です。

私には、遺産として残せるものとして、自宅と預貯金があおりますが、遠くに住む自分の子どもたちよりも、近所に住んでいて自分の身の回りの世話など良くしてくれた甥や姪のために、そしてその親である私の兄弟にも少し自分の財産が渡るようにしたいと思っています。兄弟にも遺産を相続させることはできますか。また、孫がいる場合に孫に相続させることはできますか。

まず、相続には順位があります。第一に子ども、 第二に親、第三に兄弟姉妹の順番です。子どもが先に亡くなっている場合には、孫が相続人になります。子どもがいない場合には親、親も亡くなっている場合には兄弟姉妹ということになります。 兄弟姉妹が既に亡くなっている場合には、その亡くなっている兄弟姉妹の子どもが相続人となります。また配偶者は常に相続人になります。
今回の質問の場合、お子様がいらっしゃるため、兄弟は法定相続人にはなりません。遺言書の作成をしなければ、残された配偶者とお子様たちが遺産全てを相続することになります。お子様がお亡くなりになっていれば、お孫様も相続人です。自分が希望する人に財産を遣す内容の遺言書を作成することで、相続人ではない人に財産を承継させることができます。兄弟や甥、姪に財産を残 したいとお考えならば、その内容を記載した遺言書を作成なさってください。自筆であれば、ご相談者がお亡くなりになった後、家庭裁判所で検認手続をする必要がありますが、公正証書で遺言書を作成すれば、検認手続も不要で戸籍と公正証書を準備すれば比較的簡単に相続手続を済ませることができます。ぜひ、遺言書の作成をご検討ください。
また、孫がいる場合に孫に相続させることはできますか、とのご質問ですが、ご相談者のお子さんがご存命の場合、お孫さんは法定相続人にはなりません。お子さんがご相談者よりも早くお亡くなりになった場合には、そのお子様を代襲して、お孫さんが相続人になります。お子さんを通り越してお孫さんに財産を承継させたい場合や特定のお孫さんに財産を承継させたい場合には、遺言書を作成なさってください。

私の姉が最近亡くなりました。県外に住んでいましたが早くに離婚したため子はおらず、その後一人で暮らしていました。また、私たちの父母も既に他界しています。このような状況ですので、弟である私が葬儀や遺品の整理などをおこなったところ、姉には遺産として預金と自宅マンションがあることがわかりました。私も既に年金生活を送っており、それほど余裕のある状況ではないなかで、葬儀費用等を負担していますので、もらえるものがあればもらいたいと思っています。
なお、私たちにはもう一人弟がいますが、もう何十年も前から行方がわからなくなっています。

お姉様の相続人は、ご相談者と弟様のお二人だけですので、ご相談者様は遺産の2分の1をもらうことができます。ただし、実際に不動産の名義変更や預金の引き出し手続きをする場合、相続人全員で遺産分劇協議をおこなっておく必要があります。今回のケースでは、弟様の行方がわからないということなので、この相続人間での話し合いをおこなうということが非常に困難な事例と思われます。
まずは、市町村役場で戸籍や戸籍の附票といった書類をとるなどして、可能な限り弟様の 居場所を探す必要があります。そして、それでも居場所がわからない場合、不在者財産管理人の選任、又は失踪宣告という制度を利用することを検討されるとよろしいでしょう。
 不在者財産菅理人が選任されると、その者が弟様の財産であるお姉様の遺産に対する相続分を処分する権限を持ちますので、ご相談者様はその者と遺産分割協議をおこなうことで、相続手続を進めることが可能になります。
また、弟様に対し失踪宣告の審判がされると、通常生死が不明になってから7年間が満了したときに弟様は法律上お亡くなりになったこととなりますので、お年様の相続人はご相談者様1人ということになり、遺産分割協議を行うことなく、相続手続を進められる可能性があります。ただし、弟様にお子様がいらっしゃる場合は、その方々が弟様を代襲して相続人となりますので、その点はご注意ください。
どちらの手続も家庭裁判所に申立てをして、その判断を仰ぐ必要があります。

私は自営業者です。このたび自宅を担保にして事業資金の借り入れをしようと思ったら、 自宅の土地建物の名義が昨年亡くなった父親名義になっていました。父親の相続人は、認知症の母観と私と弟です。遺言書はありません。借り入れはできるでしょうか。

遺言書がないということですので、相続人の皆様で遺産分割の協議をする必要があります。ところが、お母様は認知症とのことですね。遺産分割協議において十分な判断能力をもっていらっしゃらないということであれば、まず、家庭裁判所でお母様の成年後見人等の選任申立てをしなければなりません。お母様の能力に応じて、後見人、保佐人、補助人が選任されます。ここでは、お母様に成年後見人が選任され、お父様の遺産が自宅のみであったという前提で説明します。まず、相続人の皆様の相続分は以下の通りです。配偶者であるお母様は全体の2 分のl、ご相談者と弟さんはそれぞれ4分の1です。たとえ弟さんが、ご相談者のお父様の遺産をご相談者お一人で相続してもいいと考えられても、お母様の相続分である2分の1は原則として確保することが必要です。また、抵当権の設定契約を結ぶことは、お母様の「居住用の不動産の処分」にあたりますので、家庭裁判所の許可を得る必要があります。成年後見制度は被後見人となるご本人、今回の場合はお母様の財産を守るためにある制度ですから、ご相談のケースのように親族の都合による担保提供の場合、許可されないこともあります。

田舎で母と2人で生活をしていた父が他界し、母は私たちと暮らすことになり、田舎の実家は売却しようと登記簿を確認したところ、20年以上前に亡くなった祖父の名義になっていました。父親は五人兄弟の長男でしたので、父が実家を継いで、祖父や祖母の面倒をみており、祖父が亡くなった後に祖母が亡くなりました。
父の相続人は、母と私と妹、弟の4人です。実家は田舎にあり、私たち兄弟もこれから実家で暮らす予定はありません。売却するのが一番良いと思っていますが、田舎なので売れるかどうかもわからないし、登記をすると費用もかかるし、いろいろと面倒な場合には放っておくのも選択肢の一つだと思っています。
相続登記を放置しておいて問題になることはありますか?

まず、祖父の名義になっている不動産を売却するには、大前提として、相続を原因とする名義変更を行い、現在実在する相続人名義にしなければなりません。
祖父、祖母、父の遺言書がない場合には祖父、祖母、父の出生から死亡までの戸籍、そして、祖父の相続人である父の兄弟全員の現在の戸籍、父の相続人全員の現在の戸籍が必要になります。相続人のうちどなたか特定の方の名義にするにしても、相続人全員の名義にするにしても、売却する場合には、相続人全員の実印、印鑑証明書、住民票などが必要になりますし、当然費用もかかります。
しかし、相続登記をせずに放置したまま時間が経過すると、相続人が死亡したり、行方不明や認知症になったり、いざ売却できることのなっても手続が複雑又は不可能になってしまいかねません。したがって相続登記を放置することは絶対にお勧めできません。面倒と思われるかもしれませんが、一日も早く相続登記の手続きをされることをお勧めします。すでに手に負えないと思われる場合でも諦めずに相続登記のプロである司法書士にお尋ねください。
また、空き家のままの管理や処分をせずに放置した場合ですが、雑草や竹木、シロアリによる建物倒壊などの問題や、泥棒や放火などの事件に発展するなど、防災、防犯、景観、衛生上、周辺地域へ被害が及ぶおそれもあり、現在、深刻な社会問題となっています。 平成26年に「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家特別措置法)」が制定されました。雑草・ 竹木・シロアリや老朽して倒壊の危険などについて近隣から苦情が出て、市町村において老朽危険家屋(特定空家)と認定された場合には、空家所有者の相続人全員に対して、行政指導・処分が可能となり、更にこの法律に基づく勧告を受けた場合には、空家敷地の固定資産税の住宅用地の特例が適用されなくなり、納付額が数倍(4〜6倍)に なってしまいます。空き家の対策も司法書士にご相談ください。

私は会社を定年退職しました。財産と言えば自宅マンションくらいで、預貯金も特に無く、毎日の生活に困らない程度の年金をもらって妻と二人で生活をしています。私たちには子どもがいません。お互いの両親は既に他界しており、私には姉が二人、妻には弟が一人います。 マンションについては、私が死亡したとき(相続が発生したとき)には妻名義にすればよいと妻に話していたところ、妻から遺言書を書いて欲しいと言われました。姉たちが私たちのマンションのことをとやかく言うわけがないと妻には言いましたが、妻は、遺言書を書いてくれないなら離婚するとまで言いだしました。
大した財産もないのに、遺言書を書くなど、大げさだと思うのですが、書くべきなのでしょうか。また遺言書を作るにはどのような形式のものがよいのでしょうか。

まず、民法では法定相続人は、第一に故人の子ども、第二に子どもがいない場合には故人の親、第三に子どもも親もいない場合には故人の兄弟姉妹、そして配偶者は常に相続人となります。それぞれの相続人が相続できる割合も定められています。
ご質問の場合、現在の推定相続人は、妻と二人の姉、相続できる割合は、妻が全体の8分の6、二人の姉がそれぞれ8分の1ずつということになります。
ご質問の相続が発生した仮定して「妻○○に相続させる」という遺言書がある場合には原則として、遺言書通りの相続がされます。
遺言書がない場合には、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を全て収集し、相続人を確定した上で、相続人全員による「遺産分割協議」を行う必要があります。遺産分割協議は全員の合意がなければ無効ですし、全員の署名及び押印(実印)、印鑑証明書の添付などが必要になります。
遺言書の作成方法ですが、主に「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」が利用されています。公正証書遺言は公証役場に行き、2人の立会人の元で公証人が作成する遺言書のことです。少なくとも数万円の費用が必要になります。自筆証書遺言は、ご自分で作成できる遺言書で費用はかかりませんが、様式が決められており、相続が発生した後には家庭裁判所に遺言書の検認手続を必要とします。様式違反がある場合には遺言書が有効にならないので注意が必要です。
また、相続が発生したあと、公正証書遺言の場合には、遺言者の死亡を証する戸籍謄本と相続される相続人の現在の戸籍謄本があればよいのに対し、自筆証書遺言の場合には、検認手続きをするために、遺言者の出生から死亡までの戸籍を収集しなければなりません。 ちなみに遺留分ですが、兄弟姉妹には遺留分はありませんので、ご相談のケースの場合には、遺留分のことを検討する必要はありません。相続人が第一順位(子ども)、第二順位(親)の場合には遺留分の検討も必要になります。
つまり、ご質問のケースのような場合には、公正証書遺言を残しておけば、相続が発生した後、妻は他の方々の手を煩わせずにマンションの名義を変 えることができるということです。争いが起きないまでも、夫婦の力で購入した自宅に妻が住み続けるために、義姉等印鑑を押してください、印鑑証明書を取ってきてくださいとお願いすることを煩わしく感じても無理はありません。
更に、もし義姉に相続が発生した場合にはその子どもたち(質問者の甥、姪)などが相続人になりますので、甥や姪と話し合いをしなければならなくなる可能性も否定できません。妻は、夫である相談者に相続が発生し、一人になった後の不安を解 消したいのだと思います。
手続について更に詳しいことはお近くの司法書士にお尋ねください。

私は再婚して、子どもが2人いますが、前妻との間にも子どもが1人います。前妻も再婚しており、その子どもも成人しているので今は全く会っていません。私は現在の妻との間の子どもたち2人に財産を相続させたいと思っているのですが、問題はありませんか。

子は第1順位の法定相続人ですので、前妻との間の子も相続人となります。相続が発生 したときに毒が生きている場合には、妻2分の1、子2分の1(この場合それぞれ6分の1ずつ)が法定相続分ということになります。 現在の妻との聞の子2人に財産を相続させるには、①生前に遺言を残すか②相続発生(亡くなった)後に相続人全員での話し合い(遺産分割協議〉を行うかのいずれかの方法になります。話し合いを行っても相続人全員の同意が困であるなど不安要素がある場合には、生前に遺言書を作成しておくことが複雑化・係争化しがちな相続問題を未然に防ぐために重要なことになるでしょう。なお、子及び親が相続人 になっている場合には「遺留分」という権利がありますので、遺留分を考慮して遺言書を作成することが必要な場合もあります。

父が亡くなり、これからは認知症で寝たきりの母の面倒を長女である私が実家に同居し看ていきたいと思っています。そこで、この際父名義になっている実家を私の名義に変更したいのですが、弟の行方がわかりません。弟に相談せずに名義を変えることはできますか。

お父さんの相続については相続人であるお母さん、あなた、弟さんが話し合って、遺産分割協議をする必要があります。遺産分割協議が整わなければ、実家の名義を変えることはできません。そして相続人であるお母さんが認知症で判断する能力を欠いている場合、お母さんは自ら法律行為を行うことができませんので、この場合、家庭裁判所に対し「成年後見人」選任の申立てをし、この成年後見人がお母さんの代理人として遺産分割協議を行うことになります。 また、弟きんに関しては、本当に行方がわからない状態であるならば「不在者」ということになり、家庭裁判所に選任された「不在者財産管理人」が弟さんの代理人として遺産分割協議を行うことができます。
成年後見人や不在者財産管理人は家庭裁判所に申立てをしますが、申立て等の裁判書類作成のみならず、相続に聞して専門的知識のある司法書士が「成年後見人」や「不在者財産管理人」などに選任されるケースが年々増えております。

叔父が亡くなった後、叔父の子が全員相続放棄したということで、債権者から母に叔父の借金返済の通知が来ました。どうしたらよいのでしょうか。母からの祖父母はすでに亡くなっています。

兄弟姉妹克への相続が発生した場面です。子どもがいない場合は②両親③兄弟姉妹という順位が定められていますが、子どもがいない場合には「子どもが相続人とならない場合」つまり「相続放棄」をした場合も含まれます。今回は、叔父の子が全員相続放棄を行い、両親も既に死亡しているため兄弟姉妹が相続人になりました。
相続放棄は、原則「自己のために相続の開始があったことを知ったとき」から3か月以内に家庭裁判所に相続放棄の申立てを行わなければなりません。あなたのお母様の場合、法律上叔父様が亡くなったときに相続人になったことになりますが、相続放棄手続きができる「3か月以内」の起算点については、叔父様の子が相続放棄をしたとき、あるいはそれを知ったときとなります(今回の場合、債権者からの通知が到達した日ということになるでしょう)。すみやかに叔父様の遺産の調査を行い、相続を放棄するかどうか判断しなければなりません。申立ての際にはお母様が叔父様の相続人であることを証明するために戸籍の収集も必要になります。 なお、借金だけでなく財産も遣されており、財産の範囲で借金を返済したい場合「限定承認」という手続もあります。

遺言書はどうやって作るのでしょうか?

遺言書の作成方法としては、①自筆で作成する遺言書(「自筆証書遺言」と言います)②公正証書で作成する遺言書(「公正証書遺言」と言います)の2つの方法が多く利用されています。

①自筆証書遺言は、本人の手書きで作成する方法で、最も手軽に作れる方法です。その半面、方式が厳格であり、方式に誤りがあると無効になる場合もあります。また、遺言者の死亡後には遺言書を家庭裁判所に提出して、検認という手続きをしなければならないという、煩わしさがあります。検認は、遺言書の偽造変造防止のために遺言書を現状のまま保全するための手続ですから、方式に誤りがあったり偽造されていたりしてもそもそも無効な遺言書が、検認の手続きをしたからといって有効になるわけ ではありませんのでご注意ください。また、検認に立ち会ってもらうため家庭裁判所から相続人全員に期日の通知をしますので、検認を申し立てる際には、遺言者の相続人を調査しなければなりません。この調査に費用と時間がっかってしまうケースもあります。

②公正証書遺言は、証人2人の立ち会いのもとで、公証人が本人から遺言内容を聞き取って作成する方法です。まず、必要書類をそろえたうえで、事前に内容について公証人と打ち合わせをします。その後、証人2人とともに、原則として公証役場に行って作成します。承認がいないときは公証役場で紹介もしてくれます。少し手間や費用はかかりますが、公証人が遺言書を作成してくれ原本が公証役場に保管されるため、自筆証書遺言のような検認手続は不要ですし、遺言書が紛失したり隠されたり偽造されたりするトラブルも防ぐことができます。

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