相談実例

夏美さん一家に起こった様々な事例を用いて、成年後見制度利用のケースをご紹介します。

私は、相談者の夏美です。

父の太郎は半年前に病死しました。
つい先日、母の花子が自宅の階段で足を滑らせて骨折し、入院しました。

父(太郎)と母(花子)の間には、長女である私(夏美)の他に、長男の秋男、次男の冬彦の3人の子どもがいます。長男の秋男は、十数年前から実家を離れ、関東で会社勤めをしています。次男の冬彦は、知的障がいのため、現在は施設に入所して生活しています。

※判断能力の程度は様々ですが、この事例の場合、すべて後見類型の設定としています。

実例その1

弟(冬彦)名義の通帳からお金を引き出し、施設費に充てたいのですが・・・。

入院中の母(花子)から、冬彦名義の通帳と印鑑を渡され、冬彦の施設費を支払うよう頼まれました。私(夏美)が銀行の窓口で払出請求をしたところ、本人以外が払出しを受けるには委任状が必要だと言われました。


冬彦さん名義の預金の払出しを受けるには、成年後見人の選任が必要です。

近年、預金を引き出せるのは原則本人のみとして、口座名義人以外の者が預金の引き出しをする場合には、本人からの委任状や窓口に来た方の運転免許証といった本人確認できる資料を求めて厳格に対応する金融機関が増えています。

冬彦さんは施設に入所しているため、自分で銀行の窓口に行って、預金の払出しをすることができませんし、また、冬彦さんは知的障がいにより判断能力が不十分ですので、銀行での手続きを誰かにお願いすること(委任)もできません。そうすると今回の場合、いくら冬彦さんのためといえども、夏美さんが本人に代わって銀行の手続きを行うことはできないことになります。

これまでは、お母様が長年にわたり冬彦さんのために通帳の管理してこられた事情もあり、上記のような厳格な対応がされなかったのかもしれません。
この場合、冬彦さんのために成年後見人を選任すれば、成年後見人が本人に代わって銀行の手続きを行うことができます。


事例その1

弟(冬彦)名義の通帳からお金を引き出し、施設費に充てたいのですが・・・。

入院中の母(花子)から、冬彦名義の通帳と印鑑を渡され、冬彦の施設費を支払うよう頼まれました。私(夏美)が銀行の窓口で払出請求をしたところ、本人以外が払出しを受けるには委任状が必要だと言われました。

冬彦さん名義の預金の払出しを受けるには、成年後見人の選任が必要です。

近年、預金を引き出せるのは原則本人のみとして、口座名義人以外の者が預金の引き出しをする場合には、本人からの委任状や窓口に来た方の運転免許証といった本人確認できる資料を求めて厳格に対応する金融機関が増えています。

冬彦さんは施設に入所しているため、自分で銀行の窓口に行って、預金の払出しをすることができませんし、また、冬彦さんは知的障がいにより判断能力が不十分ですので、銀行での手続きを誰かにお願いすること(委任)もできません。そうすると今回の場合、いくら冬彦さんのためといえども、夏美さんが本人に代わって銀行の手続きを行うことはできないことになります。

これまでは、お母様が長年にわたり冬彦さんのために通帳の管理してこられた事情もあり、上記のような厳格な対応がされなかったのかもしれません。
この場合、冬彦さんのために成年後見人を選任すれば、成年後見人が本人に代わって銀行の手続きを行うことができます。

実例その2

父(太郎)が残した財産の分け方を家族で話し合いたいのですが・・・。

父(太郎)名義となっている自宅について、遺産分割による登記手続きをある司法書士に相談したところ、冬彦さんには知的障がいがあり、判断能力が不十分であるので、このままでは遺産分割協議は行えないとのアドバイスを受けました。


亡くなられたお父様の相続財産について遺産分割協議を行う場合、相続人である冬彦さんのために成年後見人の選任が必要です。

太郎さんの相続人は、花子さん・夏美さん・秋男さん・冬彦さんの4人です。相続人全員で、太郎さんの相続財産の分け方について話し合うことを「遺産分割協議」といいます。しかし、冬彦さんは知的障がいにより判断能力が不十分ですので、この協議を行うことができません。

この場合、冬彦さんのために成年後見人を選任すれば、成年後見人が冬彦さんに代わって、他の相続人との間で遺産分割協議を行うことになります。


事例その2

父(太郎)が残した財産の分け方を家族で話し合いたいのですが・・・。

父(太郎)名義となっている自宅について、遺産分割による登記手続きをある司法書士に相談したところ、冬彦さんには知的障がいがあり、判断能力が不十分であるので、このままでは遺産分割協議は行えないとのアドバイスを受けました。

亡くなられたお父様の相続財産について遺産分割協議を行う場合、相続人である冬彦さんのために成年後見人の選任が必要です。

太郎さんの相続人は、花子さん・夏美さん・秋男さん・冬彦さんの4人です。相続人全員で、太郎さんの相続財産の分け方について話し合うことを「遺産分割協議」といいます。しかし、冬彦さんは知的障がいにより判断能力が不十分ですので、この協議を行うことができません。

この場合、冬彦さんのために成年後見人を選任すれば、成年後見人が冬彦さんに代わって、他の相続人との間で遺産分割協議を行うことになります。

実例その3

母(花子)が、認知症になったり、病気で長期入院したり、死亡したりした場合、知的障がいのある弟(冬彦)はどうなるのでしょうか・・・。

母(花子)は、現在は退院して自宅療養をしています。私(夏美)は、仕事の関係で、3ヶ月後に関西へ転勤することになってしまいました。もし、母が認知症になったり、病気で長期入院したり、死亡したりした場合、知的障がいのある弟(冬彦)は一人残されることになります。弟の施設費の支払いなどは、どうなるのでしょうか。


今のうちに、冬彦さんのために成年後見開始の申立てをしておくというのはいかがでしょう。

冬彦さんのために成年後見人を選任すれば、成年後見人が施設費の支払いを含む財産管理全般を冬彦さんの代わりに行うことになります。

この場合、花子さんが一人で冬彦さんの成年後見人になるか、あるいははじめから司法書士などの専門職が冬彦さんの成年後見人となる方法が考えられます。いずれにしても、成年後見人となった人に万一のことがあったときには、家庭裁判所によって後任者が選ばれることになっています。

また、花子さんと司法書士などの専門職とが複数で、冬彦さんの成年後見人となる方法もあります。このとき、どちらか一方に万一のことがあったときでも、他方が業務を行うことができますので、冬彦さんの後見が中断することはありません。


事例その3

母(花子)が、認知症になったり、病気で長期入院したり、死亡したりした場合、知的障がいのある弟(冬彦)はどうなるのでしょうか・・・。

母(花子)は、現在は退院して自宅療養をしています。私(夏美)は、仕事の関係で、3ヶ月後に関西へ転勤することになってしまいました。もし、母が認知症になったり、病気で長期入院したり、死亡したりした場合、知的障がいのある弟(冬彦)は一人残されることになります。弟の施設費の支払いなどは、どうなるのでしょうか。

今のうちに、冬彦さんのために成年後見開始の申立てをしておくというのはいかがでしょう。

冬彦さんのために成年後見人を選任すれば、成年後見人が施設費の支払いを含む財産管理全般を冬彦さんの代わりに行うことになります。

この場合、花子さんが一人で冬彦さんの成年後見人になるか、あるいははじめから司法書士などの専門職が冬彦さんの成年後見人となる方法が考えられます。いずれにしても、成年後見人となった人に万一のことがあったときには、家庭裁判所によって後任者が選ばれることになっています。

また、花子さんと司法書士などの専門職とが複数で、冬彦さんの成年後見人となる方法もあります。このとき、どちらか一方に万一のことがあったときでも、他方が業務を行うことができますので、冬彦さんの後見が中断することはありません。

実例その4

母(花子)が施設に入所するために、私(夏美)が代わりに入所契約をしましたが、長男の秋男が反対して抗議してきました。

母(花子)は、その後、認知症の症状が少しずつ出始めてましたが、最近になって症状がかなり進行してしまいました。このまま母が一人自宅で生活していくのが心配なため、施設に入所する契約を私が代わりに行いました。しかし、入所にかなりのお金がかかることを知った長男(秋男)が、勝手に母の財産を使われては困ると抗議してきました。母自身のためなのだから、と主張したのですが・・・。


夏美さんが行った入所契約は、法的に無効です。花子さんのために成年後見人を選任し、成年後見人が本人に代わって入所契約を行う必要があります。

たとえ家族でも法的な権限がない限りは、いくら本人のためであることを主張しても、それに対して文句を言われればどうすることもできません。花子さんのために成年後見人を選任すれば、認知症で判断能力が不十分な花子さんに代わり、成年後見人が施設との入所契約を行います。

そして、成年後見人が花子さんの財産を管理し、本人の財産を本人のために使うことができるようになります。そうすることによって、このような兄弟相互の不信感から生じる紛争を未然に防ぐことができる可能性があります。


事例その4

母(花子)が施設に入所するために、私(夏美)が代わりに入所契約をしましたが、長男の秋男が反対して抗議してきました。

母(花子)は、その後、認知症の症状が少しずつ出始めてましたが、最近になって症状がかなり進行してしまいました。このまま母が一人自宅で生活していくのが心配なため、施設に入所する契約を私が代わりに行いました。

しかし、入所にかなりのお金がかかることを知った長男(秋男)が、勝手に母の財産を使われては困ると抗議してきました。母自身のためなのだから、と主張したのですが・・・。

夏美さんが行った入所契約は、法的に無効です。花子さんのために成年後見人を選任し、成年後見人が本人に代わって入所契約を行う必要があります。

たとえ家族でも法的な権限がない限りは、いくら本人のためであることを主張しても、それに対して文句を言われればどうすることもできません。花子さんのために成年後見人を選任すれば、認知症で判断能力が不十分な花子さんに代わり、成年後見人が施設との入所契約を行います。

そして、成年後見人が花子さんの財産を管理し、本人の財産を本人のために使うことができるようになります。そうすることによって、このような兄弟相互の不信感から生じる紛争を未然に防ぐことができる可能性があります。

その他よくある質問はこちらから

その他よくある質問はこちらから

  • 行政・福祉関係の職員のみなさまへ無料同行訪問相談のご案内
  • 会員名簿
  • りーがるーの部屋
  • 私たちができること
  • 無料電話相談 お問い合わせはお気軽に 092-738-7050
    受付時間
    月曜日〜金曜日13:00〜15:00
    祝祭日、年末年始、盆休日を除く
  • 有料面接相談 お電話でのご予約 092-738-1666
    相談時間
    毎週水曜日13:00〜15:00のみ
    相談料
    1時間5,000円(税込)
    受付時間
    月曜日〜金曜日13:00〜16:00 祝祭日、年末年始、盆休日を除く
    メールでの予約申し込み
  • リーガルサポートふくおか

    〒810-0073
    福岡市中央区舞鶴三丁目2番23号
    (司法書士会館内)

  • 福岡県司法書士会

ページの上へ